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書籍詳細
クイズ文なら分かりやすい文章があなたにも今すぐ書ける!
非論理的な人のための論理的な文章の書き方入門

飯間浩明[著]

1,050円(税込)
発行年月日 : 2008年12月20日
ISBN : 978-4-88759-679-5
本のサイズ:新書判ソフトカバー
書籍の内容

自分の考えたことを文章にして、読者に間違いなく伝えるには、どうすればいいのだろうか?

そのためには、「クイズ文」という〈問題〉〈結論〉〈理由〉という形式に従った文章を書けばいい。
なぜなら、この形式は、読者と一つの問題意識を共有し、かつ、読者を一つの結論に導くためのものだからだ。
細かいことは脇において、ひとまずこの形式に落とし込んでいけば、誰でもすぐに、伝わる文章が書けるようになる。
大学で文章の書き方とディベートを教えてきた著者が、実際に学生の文章を目覚ましく上達させた方法を惜しみなく公開する。
著者からのメッセージ
文章の書き方についての本(文章読本)は、じつにおびただしい数があります。書店の棚がそれだけで埋まってしまうほどです。ため息をつく人も多いでしょう。
文芸評論家の斎藤美奈子さんに至っては、『文章読本さん江』(筑摩書房)という評論を著して、無数にある文章読本の存在それ自体を批評の対象にしているほどです。

書店に並んでいる文章読本は、その数が膨大だという以外にも、一冊の中に書いてある内容が多岐にわたっているため、文章を学ぶ人が負担に感じる面があります。
私自身も、学生の時、『レポート・論文の書き方』というような名前の本を何冊か読みましたが、どれも内容が盛りだくさんで、
「ここに書いてあることをすべて守らなければ、レポートや論文は書けないのか」と、ぼうぜんとしました。

私は大学で文章の書き方を教える授業を持っていますが、学生は――今も昔も――たくさんのことを教えられるのをいやがります。
もっと正確に言えば、たくさん教えられても、その多くを忘れてしまいます。
でも、何か一つのことについて、徹底して追究する授業であれば、かなり集中して聞いてくれるし、授業の後に残る印象も強いようです。

それで、私は、文章の書き方を説明するにあたって、多くのことを言いたくないと思いました。
できれば、一言だけ注意を与えて、それだけで文章がみるみるうまくなるというわけにはいかないだろうかと、いろいろ考えました。

そこまで都合のいい方法は、さすがに見つかりませんでした。
ただ、文章の基本は、それほど複雑なものではなく、ごく単純な要素でできていると、私は考えるに至りました。

文章には、「事実・感想」からなる形式と、「問題・結論・理由」からなる形式とがあるというのが、私の考えです。
私は、前者を「日記文」、後者を「クイズ文」と名づけました。

日記文は、事実をありのままに書く文章です。一方、クイズ文は、ものごとを筋道を立てて考える文章です。
レポートや論文、企画書、提案書などといった、だれもが書くのに苦労する種類の文章は、だいたい後者の形式に当てはまります。

そこで、私は、特に「クイズ文」を書けるようにすることを、授業の中心に据えるようになりました。
授業の初めに、私はまず、学生にこう問いかけます。
「自分の考えたことを文章にして、読者に間違いなく伝えるには、どうすればいいか?」
これに対する私自身の答えと、その理由はこうです。
「そのためには、クイズ文という、『問題・結論・理由』という形式に従った文章を書けばいい。
なぜなら、この形式は、読者と一つの問題意識を共有し、かつ、読者を一つの結論に導くためのものだからだ」

私の言いたいことは、この一言だけです。
これで、学生たちが「そうか、なるほど、分かった。ではそのように書こう」と納得してくれれば、もうそれ以上授業をする必要はありません。

でも、当然なことに、と言うべきか、右の禅問答のようなせりふを発しただけでは、学生たちにはほとんど何も伝わりません。
それで、もう少しくわしい説明を足して、私の考えを深く理解してもらうために工夫するうち、半年、一年の授業が終わってしまいます。

さて、私は、今また、右のたった何行かのことを読者に伝えるため、本書を書こうとしています。
ページ数はそれなりに多くなりそうですが、要するに、言いたいことは、右の一言だけです。

まずは、むずかしく考えず、気楽に読んでください。いつの間にか読み終わっていて、
しかも、本書の伝えたいこともよく分かった、と思っていただけるならば、たいへん幸せです。
書籍レビュー
著者プロフィール


飯間 浩明
(いいま ひろあき)
1967年、香川県高松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。同大学院博士課程単位取得。
現在、早稲田大学などで非常勤講師。『三省堂国語辞典』編集委員。
専門は日本語学。古代から現代に至る日本語の語彙について研究を行う一方、
辞書編集委員として、まだ辞書に採録されていない現代語を収集・記述することに精力を注いでいる。
大学の授業では、クイズ、ディベートなどを取り入れた独自の文章指導を約10年続けている。
著書に『遊ぶ日本語 不思議な日本語』(岩波書店)、『NHKわかる国語 読み書きのツボ』(MCプレス)。

ホームページ:』 http://www.asahi-net.or.jp/~QM4H-IIM/
目次

第1章 伝えたい考えは「クイズ文」で書く
LESSON 1 言いたいことは伝わっているか
考えを伝え、理解してもらうためには?
よく見るエッセー、言いたいことは何?
汲み取ってくれるだろう、では伝わらない
伝える姿勢がとぼしい新聞のコラム

LESSON 2 クイズ文とはどういうものか
伝えるための文章はクイズにそっくり
「問題・結論・理由」の役割
数学の証明問題はクイズ形式だ
理科でも習うクイズ形式
昔の日本人もクイズ形式を使っていた
練習1 「問題・結論・理由」を備えた自己紹介をしてみる

LESSON 3 クイズ文の反対は「日記文」
ふつうに目にする文章は「日記文」
日記はどういう形式で書かれるか
報道記事も小説も日記文
「事実・感想」を定義すると
歌詞や和歌、俳句も日記文
事実と感想を分けると、発見がある
日記文とクイズ文、どちらが上でもない
練習2 新聞記事を日記文とクイズ文にしてみる
論理的に反論できるか、できないか

第2章 クイズ文の型を理解しよう
LESSON 1 クイズ文の四つの型
疑問文の形式で分類すると
練習3 文章から型を読み取ってみよう
練習4 表面上はクイズ文に見えない文章を明確なクイズ文にする

LESSON 2 ディベートはクイズ文を書くのに役立つ
ディベートの効用は絶大
ディベートを誤解していませんか?
ディベートの型はクイズ文の型

LESSON 3 ディベートを疑似体験しよう
ディベートを朗読するだけでも、けっこう身につく
1.立論
2.反論

LESSON 4 ディベートからクイズ文をつくってみる
クイズ文に移し替えるのはむずかしくない
ディベート形式は、考えを進展させる

第3章 実践! クイズ文を書いてみよう
LESSON 1 「問題・結論・理由」を用意する
パソコンに向かう前に考える
「問題」をどうつくるか
こういう問題設定をしてはいけない
当座の「結論」「理由」を用意する

LESSON 2 「問題」の述べ方、ここに注意
問題を文章の流れの中で提示する
問題が書かれていない 「問題」のよくない述べ方1
問題が複数ある 「問題」のよくない述べ方2
問題の範囲が不明確 「問題」のよくない述べ方3
問題を唐突に提示 「問題」のよくない述べ方4
問題提示までに回り道 「問題」のよくない述べ方5

LESSON 3 「結論」の述べ方、ここに注意
結論は問題のすぐ後に示す
結論が書かれていない 「結論」のよくない述べ方1
結論が弱い 「結論」のよくない述べ方2
問題と結論がかみ合わない 「結論」のよくない述べ方3
LESSON 4 「理由」の述べ方、ここに注意
すぐに反論されないような理由を用意
結論へ論理的につながらない 「理由」のよくない述べ方1
理由の範囲が不明確 「理由」のよくない述べ方2
理由が感想または推測 「理由」のよくない述べ方3
理由を整理せずに列挙 「理由」のよくない述べ方4
「理由を支える証拠」だけでも一章になる
反論を想定して書こう

LESSON 5 文章完成に向けてすべきこと
足りないところは何だろう
資料的な裏づけを取ろう
反論に備えよう
これが完成作品だ
優秀作品の紹介
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