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書籍詳細
あなたならどうする?
脳死・臓器移植
出生前診断、尊厳死、代理出産……
命は誰のものか

香川知晶[著]

1,050円(税込)
発行年月日 : 2009年8月5日
ISBN : 978-4-88759-734-1
本のサイズ:新書判ソフトカバー
書籍の内容


2009年7月、臓器移植法改正案が参議院で可決され成立した。
この法案は「脳死」を人の死と定義し、本人の臓器提供拒否の意思表示がない限り、家族の同意により臓器を摘出することができるという内容だ。

これまで15歳未満の子どもは臓器を提供できなかったが、今回の改正で年齢制限はなくなった。改正の背景には移植する臓器の不足、特に子どもの臓器の不足がある。

しかし、脳死が本当に人の死なのかどうか議論が分かれるし、同様の法律を施行している国々でも臓器不足は解決していない。家族だからといって臓器提供を決めてよいのかという疑問も残る。成立をこれほど急ぐ必要があったのだろうか?

……医療技術が進んだからこその複雑な問題が数多く起こっている現在。自分の生死について自分で決められるかのような状況がある一方、他人の生死について決定しなければならないこともある。

本書は脳死・臓器移植のほか「出生前診断」「代理出産」「障害児の治療停止」「尊厳死と安楽死」など、私たち一人ひとりが迫られる「命の選択」について深く追究していく。
書籍レビュー
著者プロフィール

香川 知晶(かがわ ちあき)

1951年、北海道生まれ。筑波大学大学院博士課程修了。現在、山梨大学大学院(医学部)教授、東京大学、青山学院大学、明治大学等の非常勤講師。専門はフランス哲学、応用倫理学(生命倫理学、脳神経倫理学)。生命倫理学関係の著書に『生命倫理の成立』『死ぬ権利』(勁草書房)、共編著に『バイオエシックス入門』(東信堂)などがある。
目次

第一章 あなたは、薬や医療設備が足りないとき、
    治療する人を選んでもいいと思いますか?
      あなたなら、誰を選びますか?
    ─生命倫理、最初の問題
問題の始まり
「彼らは、誰が生き、誰が死ぬのかを決定する」
誰を治療するか
「神様委員会」
誰かを選ぶのは、医師だけの問題ではなくなった
  生かすべきは、子どもが二人いる殺し屋か、独身のバイオリニストか?
  生命倫理、あてどない旅 

第二章 あなたは、生まれてきた子に重い障害があったとしたら、
    治療に同意しますか? そのまま死なせますか?
    ─障害新生児の治療停止
ジョンズ・ホプキンス・ケース 
ダウン症とは 
誰が生き残るべきか 
障害があれば、死なせることは許されるのか? 
「精神遅滞があるからといって、生命の価値が損なわれるわけではない」
  新生児医療が発達したがゆえに、選択を迫られる 
日本ではどうなのか─『生命かがやく日のために』 
治療停止を望む親が訴えられる─「ベビー・ドゥ事件」と「ベビー・ジェーン・ドゥ事件」 
予想外の結末─ベビー・ジェーン・ドゥのその後 

第三章 あなたは、生まれてくる子どもに障害があるとわかったとき、
    その子を産みますか?
    ─「不幸な子どもを産まない運動」と「間違った命」訴訟
出生前診断の登場 
選択的中絶は認められるか? 
「不幸な子どもを産まない運動」 
障害者の事前抹殺? 
国家遺伝病法と出生前診断 
「間違った出生」訴訟 
「間違った命」訴訟 
検査技術はさらに進歩を続けている 

第四章 あなたは、代理出産を依頼しようと思いますか?
    ─生殖技術の展開と自然主義VS契約主義
おばあさんが孫を産む 
ひとりの子どもに五人の親 
子どもの国籍が決まらない 
「自然主義」VS「契約主義」 
出産は自然の枠を超えた 
「あたりまえ」の崩壊 
最高裁の判断と「注文」 
不妊と代理出産 
ベビーM事件 
 代理母契約は有効か
 依頼者の女性か、代理母か
代理出産反対の立場「家族関係の崩壊と妊娠・出産の商品化を招く」 
代理出産賛成の立場「不妊治療の一環。代理母もだまされているわけではない」
  第五章 あなたは、自分の子ども同士の臓器移植を決めることができますか?
    ─自己決定と子どもの権利
「自己決定」を支える会 
自己決定という論理 
古典的な自由主義と自己決定 
「自己決定」ですべてが解決するのか? 
自分のルーツを知る権利 
誰が当事者なのか 
親は子どものことを決めていいのか? 
自己決定を支えるもの

第六章 あなたは、治る見込みはないのに、
    生かし続けられることを望みますか?
      ─カリフォルニア自然死法とクインラン事件
誕生の場面から死の場面へ 
カリフォルニア州自然死法 
「死ぬ権利」を求めた裁判 
家族だからといって、死なせることは許されるのか? 
本人が自分の死を決められないなら、他人が決めるしかない? 
現代医療のモンスター 
カレンのその後 
法制化のメカニズム 

第七章 あなたは、家族が治る見込みがないとき、
    人工呼吸器を取り外すことに同意しますか?
    ─射水市民病院事件と尊厳死運動
安楽死をめぐる日本での議論 
射水市民病院事件 
外科部長への批判から同情へ 
日本尊厳死協会の活動 
尊厳死という言葉 
尊厳死法制化の動き 
厚生労働省の治療停止ガイドライン
  救急医学会の提言 
書類送検と不起訴 
残る疑問 

第八章 あなたは、「脳死」は人の死だと思いますか?
    ─「遅れた日本」と臓器移植法成立の意味
脳死をめぐる日本での議論 
「臓器移植」と「脳死」が結びつけられるまで 
 心臓移植の登場
 脳死とはどういう状態か
 「脳死臓器移植」概念の登場
どの時点を死とするのか? 
見えない死としての脳死
  日本は遅れているのか? 
「臓器移植のために、脳死は無理矢理に死とされた」 
正直さをスキップするシステム

第九章 あなたは、臓器を提供しますか?
      ─臓器不足をめぐる問題
「臓器の移植に関する法律」
  死の自己決定 
「本人の意思がなければ」への異論
  海外渡航移植の実態 
 アジア諸国での臓器移植
 中国での臓器移植
臓器移植を増やすための方策
  生きている人からの臓器提供 
生体肝移植ドナーの死 
生体肝移植の現実 
ドミノ肝移植 
臓器移植法違反事件
  病気腎移植問題 

第一〇章 あなたの命は誰のものですか?
    ─医療技術の進歩と人間の生命
二〇〇九年、臓器移植法の改正問題 
提供臓器は常に不足する 
同意を求める「オプトイン」方式か、
拒否する意思表示がなければ自動的に同意と見なす「オプトアウト」方式か
  オプトアウト方式のフランスでも臓器は不足している 
なぜ臓器は不足するのか 
「善きサマリア人」のたとえ 
「最低限の常識的なサマリア主義」を超える要求はできない
  拡張される善意 
親ならどうして子どもの臓器提供を許可できるのか?
  驚きと慣れの問題 
あきらめない社会 
問いは開かれている 
帯コピー

あなたならどうする?
脳死・臓器移植
出生前診断、尊厳死、代理出産……

日進月歩の医療技術が
、 私たちにつきつける「生と死の選択」
 一人ひとりが考えるための視点を提供する!

ボディコピー

あなたは、臓器を提供しますか?
また、自分の子どもの臓器を提供できますか?

治る見込みはないのに、生かし続けられることを望みますか?

生まれてくる子どもに障害があるとわかったとき、
その子を産みますか?

このような問いに、あなたならどう答えるか?
いま、人間の生命をめぐって起こっている問題を知り、考える時が来ている。
関連書籍

『生命倫理の成立』『死ぬ権利』(勁草書房)
『バイオエシックス入門』(東信堂)
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