商品詳細

[電子書籍]数学に感動する頭をつくる

[電子書籍]数学に感動する頭をつくる

電子書籍
価格: 800円(税込)
フォーマット
紙の書籍
電子書籍
価格
1,080円
800円
個数:
  • 発売日2011.9.21
  • ISBN978-4-7993-1043-4

商品概要

国際数学オリンピックに挑戦する子どもたちを教える英才セミナー講師が、
上位入賞する子たちを観察して知った特徴、それは……。

商品説明

国際数学オリンピックに挑戦する子どもたちを教える英才セミナー講師が、
上位入賞する子たちを観察して知った特徴、それは……。
「小学校1、2年生頃までは公文式の教材をやっていた」
「中学受験は熱心にやり、進学校に合格している」
「ピアノか囲碁将棋が趣味で、数学の勉強をやるときは熱中型である」
「ただしあまりきちんとした子は少なく、教材管理はできないし、字が汚い」
「工夫する力と洞察力にすぐれ、幾何が得意な子はイメージする力もとりわけすぐれている」
「物事を比喩的にとらえる感覚を持ったものが多い」
では、そこから数学の能力を伸ばす方法を抽出すると? 
算数や数学が好きな子に育てたい親御さん必読の名著が携書になりました。
話題を呼んだ「数感を伸ばす練習問題10」も、もちろん収録。

目次

まえがき
第一章 「数感」とは何か
音感があるように「数感」がある
数学を面白いと感じる力
征服派と感動派
数の不思議を味わうには
理解する数学と解く数学
数学力なんて存在しない
あなたの目的を意識せよ
中学受験をしても伸びない能力がある
数学ができる人できない人
技能教科としての数学
体系としての数学と解く数学

第二章 数学の教育について(初級編)
世間の誤解
自ら考え工夫する力をつける
数学を勉強するための一番よい動機づけとは
数学は怠け者の学問?
しかし、計算力は大切だ
今までにやった問題と同じだと見抜けるか?
発想力の育成法
構造化して記憶せよ
数学の力は伸びて止まってまた伸びての繰り返し
自ら訂正する能力
情報過多の時代の悩み

第三章 さまざまな能力の開発方法
記憶力
イメージ能力
発想力
推理力
構想力
位置づけ能力
位置づけ能力(続き)
洞察力
数学ができる人とできない人の一番大きな違いとは
「数感」を身につけるために
大人になって数学を再勉強したいあなたに
一番難しいアドバイス
私の希望

付録 数感を伸ばす練習問題10
あとがき
携書版のためのあとがき

著者からのメッセージ

 数学はここ十年来ひそかなブームである。ただ、これは教育者としての立場から見れば、危なっかしいブームでもある。というのは、みんな「頭がよくなりたい」「数学ができるようになったらどんなによいだろう」「仕事にも数学的発想は役に立つのではないか」と漠然と考えても、そのために「万難を排して努力する」とまで覚悟を決めている人はごく少ない。ところが、本当の意味で数学ができるようになりたいなら、その困難な茨の道を突き進むしかないからだ。
 したがって世間では、「数学ができるようになりますよ」と甘い誘いをかけながら、実はその「茨の道は避けた」書物が書き手の側からも読み手の側からも出版社の側からも歓迎されて流行ることになる。
 私が2004年にこの書物を著したとき、私はそうした甘い誘いの本は書かず、むしろ世間の人に数学を学習するということがどのようなことなのかの全体像を知ってもらいたかった。だから、「数学力というものは存在しない」など、後にインターネットなどでの書評を見ると「天邪鬼」と評されるようなスタンスで(もちろん読者を煙に巻くつもりは毛頭なかったが)、「本当のこと」「むしろ厳しいこと」を多少はオブラートにくるみながらも書いたつもりだった。
 そんなわけで、私は本書が七年の歳月を経て「携書」(他社では新書にあたる)になるとは思いもしなかったのだ。

 しかし、いざ携書化されると聞いて、とまどうと同時に少しく感慨が湧き、この七年の変化を振り返ることにもなった。その変化は、私の中での変化でもあり、世間の変化でもある。
 実は私もこの書物を書いたことを契機として、さらに数学の学習についていろいろと考えるようになった。その結果、現在では「算数の根幹をなすものは論理的な能力ではなくて想像力であろう」という、世間の常識とはかなり異なる考え方に到達している(残念ながらここで詳しく述べる紙幅はないが……)。
 同時に世間ではあれほどすごかった都市部の中学受験が少し陰りを見せ始め、また、アメリカ発のリーマンショック、さらには3.11の東日本大震災によって、経済の状況、ひいては人びとのものの考え方が大きな変化に見舞われる時期がきたようだ。
 その変化は数学教育の世界にどのような変化を与えるのだろうか。こうしたことを私はあらためて考えてしまったのである。
 結論だけ手短に述べよう。現在、情報諸科学の進展のもとに、学校教育でも「情報」という側面が強調され、数学でも「数学研究」ではなく「一般人の数学的リテラシー」(例えば新聞を読むときに統計を批判的に読み込める能力・日常生活の隅々にまで数学的能力や思考力を活用していこうとする教育)を育成していこうとする方向に教育は変わりつつある。
 だが、この試みは早晩行き詰まるだろう。
 逆に、本格的な道を歩んだ人と、単に数学的リテラシーの教育をされた人とのあいだに今までにはなかった悲惨なほどの「格差」がつく時代がすぐそこにまできているような気がする。
 数学の学習の基本はいつの時代にも変わらない。表面の流行に惑わされず、読者が本格的な学習への契機として本書を活用してくださることを切に願う。
(「携書版へのあとがき」より)