商品詳細

[電子書籍]ビジネスパーソンのための世界情勢を読み解く 10 の視点

[電子書籍]ビジネスパーソンのための世界情勢を読み解く 10 の視点

電子書籍 ベルリンの壁からメキシコの壁へ
価格: 1,440円(税込)
フォーマット
紙の書籍
電子書籍
紙+電子書籍セット
価格
1,944円
1,440円
2,664円
個数:
  • メーカーディスカヴァー
  • 発売日2017.8.10
  • ISBN978-4-7993-2165-2

商品概要

読売新聞海外報道30年の著者が解説! グローバル化逆流の時代、生き残りを賭けた闘いが始まっている!

商品説明

1989年特派員として「ベルリンの壁」崩壊に遭遇した著者が、トランプ米大統領が「メキシコの壁」建設を主張している現在まで、各国での取材体験に基づき、混迷と激動の世界情勢の読み解き方を考察する。

「ベルリンの壁」崩壊からグローバル化は加速し限りなく続くかに見えたが、いまやアメリカを筆頭として多くの国が閉鎖的になりつつある。このグローバル化逆流の時代、「国家」が存在感を高め、生き残りを賭けて動き出す。

世界の行方は? その中で日本はどうする?

目次

はじめに

視点その1 グローバル化の時代だからこそ国家の役割は重みを増す――ネーションの復権が起こす世界各地の大変動

今起きている変動の主役は国家とその指導者だ
「グローバル化」は要注意用語
カネの流れは、ヒト、モノよりはるかに速い
「ネーション・ステート」という概念を理解する必要がある
「民族」とは何だろうか
東西冷戦終結でネーションが活性化した
国民(ネーション)には特性がある

視点その2 政治指導者は先見性が問われる――「ベルリンの壁」崩壊とドイツ統一

「ベルリンの壁」ができた経緯
大変なことが起きているという直感
反省 ルールをまともに受け止めると出遅れる
反省 東西ドイツ統一の見通しを誤る
「神のマント」をつかんだ男 コール首相
ドイツ人の民族感情
ドイツ国家のあり方
それぞれの国家の性格はしぶとい

視点その3 激動期にこそ各国の性格が現れる――イギリスのEU離脱とトランプ当選

日本にとって重要なアングロサクソンの英米
イギリス、アメリカはやはり似ている
トランプ当選の理由
主流派にうけたスローガン「アメリカを再び偉大にしよう」
キーワードは「ポリティカル・コレクトネス」
Brexit(イギリスのEU離脱)
エリートと大衆迎合的政党の連合
メイ首相の失敗
戻りたい過去はどこにあるのか? 大英帝国か?
労働党は、どこへ戻る?
EU離脱は短期的にはマイナス。長期的には?
スコットランド独立運動と北アイルランド紛争
ポスト・トゥルース
アングロサクソンの調整期は、日本人にとって再考の機会

視点その4 理念へのこだわりはつまずきにつながる――実務家メルケル首相の難民政策での失敗

ヨーロッパ各地で高まる反EU感情
共倒れ回避が欧州統合の本当の動機
ユーロ創設、東方拡大からEUは変調に陥った
ドイツの性格
若き日のメルケルは、実務家だった
メルケルの不思議
火消し役メルケル
モデルとしてのドイツ
ドイツは、いつもモデルだとはいえない……難民大量流入
「ベルリンの壁」後の政治家メルケル vs「メキシコの壁」のトランプ

視点その5 民族の性格が危機を招く――韓国の苦悩

韓国の経済発展
文在寅大統領の就任演説に見る韓国の問題点
韓国のグローバル化
韓国の保守と左派の対立軸
ネーション・ステートの観点から整理した朝鮮半島の歴史
朝鮮民族の性格にある「序列意識の強さ」
朴槿恵打倒
日本にとっては韓国の不安定さが迷惑だ
韓国のことをよく知る人が批判する
韓国はプレ・トゥルース(pre-truth)の国か?
朝鮮半島の地形と歴史
韓国を複眼でとらえる

視点その6 グローバル化した世界でも、核兵器は格別の強みとなる――北朝鮮の核開発

すでに日本を核ミサイル攻撃できる能力を備えている北朝鮮
ドイツで起こった「核の傘」を巡る議論
核拡散防止条約(NPT)体制からの脱退を宣言した北朝鮮
北朝鮮は大陸間弾道ミサイルの開発でグローバル化を図る
米国は韓国、日本の核武装を懸念
北朝鮮が核武装を図る動機
朝鮮戦争でアメリカと中国が戦った
韓国人の核武装願望に注意せよ

視点その7 宗教を知れば世界が見える――アラブの春から「イスラム国」へ

現代は宗教興隆の時代
「イスラム教」と「アラブ」というキーワード
欧州列強による第1次世界大戦の戦後処理が問題を生んだ
しぶとい国家、エジプト
「アラブの春」のキーワードは、「尊厳」
もろい国家、シリア
グローバル化の鬼っ子「イスラム国」
イスラム色の強まるトルコ
欧州で頻発するテロ
テロリストが生まれる背景

視点その8 民主主義は後退する局面にある――プーチン大統領のロシア

世界規模で見ると民主主義は後退している
国ごとに事情は異なる
ロシアは、「ネーション・ステート」があてはまらない国
世界に衝撃を与えたクリミア編入
プーチンが体験した「ベルリンの壁」崩壊
プーチンはロシア国民多数に支持された
クリミア編入の経緯
クリミア編入はなぜいけないか
力による現状変更
ロシア人の良き思い出とは
もう一つの集団記憶 対ナチスドイツ勝利

視点その9 帝国が復活している――南シナ海を巡る中国とアメリカの対立

中華民族の偉大な復興
蘇る「帝国」の世界観
南シナ海への進出
尖閣諸島の問題
中国にとってアメリカとの関係が重要だ
中華と周辺
トランプは中国と取引する

視点その10 生き残りのためには強みを生かす必要がある――日本の厳しい安全保障環境

東日本大震災からの復興をめぐって
自然災害と侵略
安全で便利な社会
安全保障をどう考えるべきか
日本が神のマントをつかまねばならない?

あとがき

著者からのメッセージ

私は2016年から順天堂大学国際教養学部の非常勤講師として、学生といっしょに国際ニュースを読む授業をしています。授業を重ねるにつれ、自分が経験を通じて体得したコツを本の形にできないだろうかと考えるようになりました。

もちろん、東西冷戦終結時に関する知識をそのまま現在にあてはめようというのではありません。冷戦終結という大変動とその後30年近い経緯から得られた知見を生かして、今日の世界の地殻変動を読み解きたいのです。いわばこの本は、東西冷戦の終わりを知る世代の記者が次の世代に渡す、注意書のようなものです。ここに落とし穴があるなどと書いてあります。

それぞれの章の冒頭に、「視点」を記しました。これが注意事項です。特定の国・地域での出来事を見ていく中で、浮かび上がってきた教訓です。

扱う主な時期は、東西冷戦終結から、アメリカのトランプ政権初期までです。一言でいえば、グローバル化が加速した末に、様々な変調が起き始めた時期です。

この本の主役は国家です。 グローバル化の中で個々の国家がどのように振る舞っているのかをとらえます。ある国家の行動を説明するには、歴史によって形成されてきた国家の性格に目配りする必要があります。必要に応じて、19世紀に遡り、あるいはさらに遠い過去にも言及します。

アメリカのトランプ大統領は、2017年1月の就任演説で、「アメリカを再び偉大にする」との目標を掲げました。中国の習近平共産党総書記はすでに2012年に、「中華民族の偉大な復興」を唱えました。中国とアメリカという世界の2大国の指導者が、自国の過去の「偉大さ」に依拠しつつ、これからの方向性を打ち出したのです。国家の過去に視線を向けることが、かつてなく重要になっています。

国際法や軍事問題にも言及します。教科書風の概論ではなく、実際に起きていることを説明するために、国際法や軍事の観点からアプローチしています。

様々な国に関する専門家の意見も引用しています。特に力を入れて紹介したのは、私がそれに接してわくわくした意見です。記者にとって、事件現場で取材することが基本です。取材すると様々な疑問が残ります。その疑問について考え続けていると、何かのきっかけで突破口が開ける時があります。しばしば力量のある専門家の言葉に助けられるのです。

国際報道をフォローすることは、努力が必要ですが、楽しさもあります。そのことを感じ取っていただければ幸いです。「視点その1」は総論です。「グローバル化」「ネーション・ステート」「民族」といった、国際情勢を読む上での基本的な道具立てについて整理します。

「視点その2」から「視点その9」は、特定の国家について重点を置いた各論です。「視点その10」は日本について論じました。
(「はじめに」より)