商品詳細

生命創造

Creation The Origin of Life/The Future of Life

生命創造

紙の書籍 起源と未来
価格: 2,160円(税込)
  • メーカーディスカヴァー
  • 発売日2014.12.25
  • ISBN978-4-7993-1606-1
  • サイズ四六判・並製 /

商品概要

医学研究を支援する世界的団体「ウェルカム・トラスト」の "Welcome Book Prize" 最終候補作待望の邦訳! 生命40億年の歴史と人工生命40年の歴史をたどりながら生命とは何かに迫る!

商品説明

生命は創れるか? 生命40億年の歴史/人工生命40年の歴史

本書は「生命の起源」と「生命の未来」という2部が、DNAの二重らせんのように絡まり合って構成されています。起源を裏返すと未来が、未来を裏返すと起源が見えてくるのです。そのことを象徴するように、本書もまさにそのような作りとなっています。表紙側からは「生命の起源」の物語が、180度ひっくり返した裏表紙からは「生命の未来」の物語が始まります。

「生命の起源」は、私たちの起源を探し求める壮大な推理小説です。細胞の発見からスタートし、進化説へ、そして遺伝子の世界へと冒険を続けます。さらには遺伝子を作り上げる分子の起源を求め、地球誕生の物語をひもとくことになります。ついにはとても生命など存在できないような、驚くべき場所に行きつきます。分子と生命の境目がわからなくなり、生命とは何かについて寄り道することもありますが、最後には、最新の科学がたどり着いたの生命の起源が解き明かされることになります。私たちがどのようにして誕生したかについての40億年のノンフィクションとなっています。

「生命の未来」は、遺伝子を改変していくことで生命を操作する遺伝子工学、私たちにとって有用な生物を作り出そうという合成生物学、さらには、現存の生命とは別の分子を使って生命を再構成しようというSFのような物語です。生命を操作するというこの新しいテクノロジーは、人類史に新たな1章を拓くと同時に、悪用されたり想定外の事態が発生するなどの脅威をもたらす可能性をもっています。科学者や政府や市民はそれとどう向き合っていくべきか、私たちはこのテクノロジーとどう付き合っていくべきなのかがリアルに語られる現在進行形のノンフィクションとなっています。


(「まえがき」より)
進化は、生命の起源と未来を考える上で欠かすことができません。進化に関する名著が複数存在することも、その重要性と妥当性を示しています。一八五九年の一一月、ダーウィンの『種の起源』が出版されました。そこには、自然選択によって生物が進化していくという壮大なストーリーが描かれています。科学の発展により、新たな発見が絶えずなされていますが、『種の起源』の出版から一五〇年経った今も、ダーウィンが「変化を伴う由来(descent with modification)」と呼んだ、生存にとって有利かどうかによって生物の特徴が変化していくという根幹は揺らぐことがありません。それどころか、自然選択という考え方がいかに合理的で盤石であるかを、まざまざと示してきました。

本書は、種の起源以前、すなわち生物の進化が始まるさらに前の原始の生命について、そして、種の起源以後、すなわち自然選択という制約を超えたその先の生命について考えていくものです。種の起源のプロローグとエピローグと言っても良いかもしれません。

本書のこちら側は、生命の「起源」。さまざまな物質が渦巻く原始の地球で起きた、生気のない化学物質が生命へと跳躍するまでをたどります。あちら側は、生命の「未来」。人間の意図に基づいた新しい生命の設計と作り変えという、人為的な生命の改変です。

どちらを掘り下げるにも、四〇億年にわたる進化の歴史と、ここ数世紀のうちに起きた人類史に残る生物学上の発見について理解する必要があります。この二つは互いに密接に関係する複数のアイデアが絡み合ったものです。進化について理解することで生命を操作する方法が磨かれ、生命を操作していく中で生命誕生の条件についてより多くを学んできました。

そのようなわけで、本書は分かちがたく結びついた二つの物語から成り立っています。表紙もまえがきも二つずつあります。そしてそれらは、DNAの二重らせんのごとく、相補的に記述されています。密接に絡んだ二つの物語はどちらからも読み始めることができます。本書をひっくり返せば、あちら側の物語が始まります。


(本文より)
マーティンのモデルは水素、アンモニア、硫化水素のガスが蛇紋岩化した岩石の穴の周りを通過するところから始まります。ロバート・フックが顕微鏡で見たコルクの小部屋(セル)のように見える孔――今の私たちが知っている細胞(セル)とは違い、蜂の巣のようなハニカム構造をしたくぼみ――の内部はアルカリ性で、酸性の海水との間にプロトンの勾配を作り、代謝をスタートさせるエネルギーの流れを生み出します。くぼみの中のエネルギーに満ちた混合液の中でシンプルな生化学反応が起こり、渦巻きながらアミノ酸が作りだされます。糖、プリン環、ピリミジン環といった代謝回路の基本的な分子も作られていくでしょう。塩基の材料でもあるプリン環やピリミジン環は、ジョン・サザーランドの発見した合成経路を経て、遺伝暗号の文字を生みだしたのかもしれません。

その文字が連結されるとRNAワールドがスタートします。やがてはデータ保存機能に優れたDNAによって置き換えられますが、ここまでのことがすべて孔の中で起こるものと考えられています。この身動きの取れない化学反応炉(リアクター)がすべての共通祖先なのです。

目次

起源
まえがき
目次
はじめに

第一章 生まれしもの
 細胞発見小史
 自然発生する生命
 細胞は細胞から生まれる
 多様性の起源

第二章 最初の細胞を求めて
 多様な生命の多様な細胞の共通のフレーム
 科学者メンデル
 「われわれは気づいていないわけではない」
 生命の暗号を解読せよ
 私たちはみな「利き手」が同じ!?
 LUCAへと向かうタイムトラベル
 接ぎ木された系統樹
 LUCAについてわかっている二、三のこと

第三章 暗黒の地球、生命の曙
 原始地球は灼熱地獄?
 月が教える地球の履歴
 スープの中で生命誕生?

第四章 生命とは何か?
 ミセス・グレン
 生命とは情報を伝えるもの
 定義できないが、見ればわかる
 絶対の法則に逆らう

第五章 暗号の起源
 凍結された生命の言語
 ニワトリが卵で、卵がニワトリで
 自己複製する化学物質
 生命の文字の始まり
 アルファベットのレシピ

第六章 創「生」記
 すべてを受け継ぐもの
 どこかほかから?
 膜の起源
 地球生命のふるさと

参考文献


未来
まえがき
目次
はじめに

第1章 創られしもの
 スパイダーゴートのフレックルズ
 簡単に混ざり合う遺伝子
 遺伝子を操作する道具の始まり
 合成生物学

第2章 生命の論理
 時計じかけの生物
 暗殺回路
 遺伝子でできた回路素子
 バイオカプセルで回路をインストール
 生命の中の課題と、生命の外の課題

第3章 リミックス
 生命の部品のISO
 ハローワールド
 道具化する生命
 成果は誰のもの?

第4章 生命を創るべきか?
 生命の改変は許されるのか?
 アシロマ会議
 生物兵器を作りだせるのか?
 インフルエンザの毒性強化に成功
 遺伝子組み換え作物をめぐる謀略
 合成生物学の挑戦:マラリア
 真実を手にするために
 「できる」ことと「すべき」こと

第5章 別の方向性
 新言語
 生命とは違う分子で書かれた生命の暗号
 遺伝暗号表を書き換える
 DNAに刻む

参考文献
謝辞

推薦メッセージ

「DNAの過去と未来に関する申し分ない入門書」
― The Guardian

「あまりにおもしろくてスリラー小説のように読める」
― The Mail on Sunday