商品詳細

サイエンスペディア 1000

サイエンスペディア 1000

紙の書籍 Sciencepedia 1000
価格: 4,752円(税込)
フォーマット
紙の書籍
電子書籍
紙+電子書籍セット
価格
4,752円
3,520円
6,512円
  • メーカーディスカヴァー
  • 発売日2015.11.18
  • ISBN978-4-7993-1800-3
  • ページ数544P
  • サイズA5変形判・上製 /

商品概要

教科書よりも簡単で、百科事典より親しみやすい「読む科学事典」! 物理・生物・化学から社会科学まで5000年の歩みを1000項目に凝縮。簡潔なキーワード紹介で知る科学のすべて。気になる項目を読み進めるだけで、その分野の概要を知ることができます。

商品説明

第 50 回造本装幀コンクール 経済産業大臣賞・日本書籍出版協会理事長賞 受賞

10カテゴリーにわたり科学の最重要キーワードを1000個選び、それぞれを簡潔に紹介したおしゃれな科学事典です。それぞれのキーワードは五十音順ではなく、科学のサブカテゴリー(力学、熱、物質……)ごとに並べられています。気になるキーワードを調べるのに使うのはもちろんですが、サブカテゴリーに含まれるキーワードを一気に読むという楽しみ方もおすすめです。そうすることで、気になるサブカテゴリーの全体像が浮かび上がってくるからです。

科学辞典が持つ広範さを保ちながら、ポピュラーサイエンスのように読めるとっかかりやすさを融合させた本書は、事典としてはもちろん、想像力を刺激する科学エッセイとしても楽しむことができるのものです。


(本書の一部)
幹細胞治療
胚性幹細胞は体内のほぼすべての臓器(血液や皮膚や脳など)になることができる細胞である。この細胞は生まれる前、成長して胎児としての構造を得る前の段階の胚のときに最初に出現する(「細胞分化」と「発生生物学」を参照)。
移植手術の主なリスクは拒絶反応である。胚性幹細胞は患者自身の遺伝情報をもつ細胞を使うことになるので、理論上は免疫系による拒絶反応は起こりえない。治療的クローン(therapeutic cloning)とよばれるこの手法には、体細胞核移植というクローン羊ドリーを作ったのと同じ方法が使われる。胚の段階で発生を止めて、そこから胚性幹細胞を採取する。この細胞を患者に注入することで、がんや心疾患や脳損傷などの重篤な病態によるダメージを治すために必要な細胞種へと分化させられるのではないかと期待されている。

技術的特異点
強いAIは、科学者がいつの日か人間の知力をはるかに越える人工知能、いわゆる超知能を作り出すという可能性を示している。これが実現すれば、超知能は自分自身をさらにより知的にするために自身の構造を再設計することができるようになるだろう。それは人間よりずっと賢く、ずっと速くなっているはずだ。生体の脳細胞が1秒間におよそ200回(200Hzで動作)発火できるのに対し、最新のコンピューターはおよそ2GHz(20億Hz)のクロックですでに動作している。これは、人間の脳が1年かけて考えることすべてがコンピューターでは3秒ちょっとで処理できるということを意味する。新たな再設計の度に超知能はさらに賢く、さらに速くなり、計算のみならず技術的にも常に進歩が続く。その速度はすぐに指数関数的になり、無限に速くなる方向へ向かう。
技術的進歩が事実上無限大になる時点は技術的特異点として知られている。この用語はSF作家ヴァーナー・ヴィンジによって作られ、アメリカの発明家で未来学者のレイ・カーツワイルによって広められた。カーツワイルは21世紀が終わる前にこの特異点が出現すると予測している。

目次

まえがき

物理学(力学、熱、物質、流体、波、電気と磁気、光学、相対論、量子論、量子現象、素粒子物理学、原子核物理学、統一理論)

化学(原子、化学合成、分子、化学変化、化学分析、物理化学、材料化学)

生物学(生化学、細胞生物学、微生物学、分子生物学、生物分類学、動物学、植物学、生態学、進化、進化遺伝学、生命の起源、生物物理学)

地球(地球科学、地質年代、地形、地下構造、海洋、テクトニクス、自然災害、地球大気、気象学、地質学、気候学、地球の不思議)

宇宙科学(夜空、天文学、太陽系、惑星、恒星、銀河、初期の宇宙、宇宙論、宇宙旅行、宇宙生命)

健康・医学(人体、医療、病理学、病気と病的状態、医療処置、医用画像、薬、手術、移植手術、近代医学、遺伝子医学、補完医療)

社会科学(言語学、心理学、脳機能、心理現象、精神疾患、意識、社会的趨勢、人文科学、経済、政治)

情報(科学的方法、純粋数学、応用数学、情報、計算、データ、オンライン技術、ウェブ、人工知能)

応用科学(工学、材料科学、エネルギー産生、エネルギー貯蔵、通信技術、軍事技術、遺伝子改変、食糧、法医学、考古学、歴史的発明)

未来(未来の物理学、未来の化学、未来の生物学、未来の地球、未来の宇宙科学、未来の健康・医学、未来の社会科学、未来の情報、未来の応用科学)

索引

著者からのメッセージ

科学とは、世の中がどうしてこういうふうなのかという根源的な問いかけをすることである。歴史を通して、世界中の偉大な科学者たちがその答えを導いてきた。宇宙が137億年前にビッグバンとよばれる超高温の火の玉の爆発から生まれたことを我々が知っているのは科学のおかげだ。地球上のすべての生き物が自身の体を作り上げる設計図をDNAという分子に刻み込んでいること、そして親から子へと特徴や性質を伝えるための乗り物としてDNAが使われていることを知っているのも、科学のおかげだ。我々の惑星がかつて巨大な爬虫類に支配されていたこと、6500万年前のある日巨大な彗星か小惑星が地球に衝突したために彼らが滅亡したことを知っているのも科学のおかげだ。そして、今や10年前の大学にあった最速のスパコンよりも高性能のパソコンを家で使えるのも、科学のおかげだ。

科学は人類の知的努力のもっとも大きな部分をカバーしているのではないだろうか。この本のタイトルの横に1000という大きな番号がついているのも致し方ないことだ。それでもなお、過去5000年間ほどの科学の発展を1000個の一口サイズの項目にまとめてみると、恐ろしく小さく感じられる。およそ5年おきに1項目というペースであり、暗黒時代ならそれでもかまわないかもしれないが、ドリー(世界初のクローン動物)が生まれ、(隕石のなかの化石化した虫らしきものという形で)火星に生命の徴候が見つかり、チェスコンピューターのディープブルーが当時のチェス世界チャンピオンのガルリ・カスパロフを初めて破った1996年を語り尽くすには少々詰め込む必要があった。

もし本書を時系列に沿って書き進めていっていたら、ルネッサンス時代の途中でスペースが尽きていたことだろう。そうならないよう、分野ごとに項目をまとめることとした。近代科学を、物理学、化学、生物学、地球、宇宙科学、健康・医学、社会科学、情報、応用科学、未来という10の章に分割したのだ。各章をさらに主な領域ごとに節に分割し、各領域について12個ほどの項目を割り振った。そのようなわけで、物理学の章には熱や相対論や量子論といった節がある。そして量子論という節には、シュレディンガーの猫や不確定性原理、コペンハーゲン解釈といった項目が含まれている。

本書の狙いは、科学辞典のような広範さと、ポピュラーサイエンスの文体によるとっかかりやすさやちょっとしたおもしろさとを融合することにあった。これを指針として、油断すれば『サイエンスペディア100000』となっていたかもしれないものを今の形にまとめていった。その過程で難解すぎたり不可思議すぎたりするトピック、興味をもってもらえなさそうなトピックは除外した。そうしてここに残されたものは濃縮され、蒸留され、浄化された、読みやすさと網羅性との絶妙なバランスが取れているトピックばかりだと信じている。

すべての項目は平易で簡潔な言葉で書かれている。項目内で完結しているものがほとんどだが、そうでないものについては理解を助け、さらなる情報を与えてくれる他の項目や節を参照するよう促している。どのページを見ればいいのかよく分からない場合は、巻末に全体をまとめた索引があるのでそこを利用してほしい。ひとつひとつの節は、そのなかでできる限り連続的に読めるように書いたので、たとえばあなたが量子論の全体像を理解したいと思ったならば、物理学の章の量子論の節を最初から最後まで通して読むことで、1つのエッセイのように読み進めることができるはずだ。

大きな大きなテーマに取り組んだ大きな本、それが本書だ。ぜひ楽しみながら読んでほしい。