商品詳細

[紙+電子セット]超訳 ニーチェの言葉 II

Die weltliche Weisheit von Nietzsche II

[紙+電子セット]超訳 ニーチェの言葉 II

紙+電子
価格: 2,516円(税込)
フォーマット
紙の書籍
電子書籍
紙+電子書籍セット
価格
1,836円
1,360円
2,516円
    個数:
  • 発売日2012.8.14
  • ISBN978-4-7993-1196-7
  • ページ数272P

商品概要

110 万部突破『超訳 ニーチェの言葉』の発売から約 3 年、待望の第 2 弾。「きみに限界はない。理想さえも超えて行け!」

商品説明

ニヒリズムや反宗教といった独自の思想により、20世紀の哲学に多大なる影響を与えたニーチェ。
「神は死んだ」という主張やナチズムとの関わりを噂されるなど、さまざまな伝説に彩られた孤高の哲人だが、実は彼は、ほとばしる生気、不屈の魂、高みを目指す意志に基づいた、明るく力強い言葉を多数残している。
心ゆくまで、あなたの知らなかったニーチェの世界を堪能していただきたい。


「きみはまだまだ遠くへ行けるのだ。きみの理想を超え、それ以上の憧れの地よりもさらに遠くへ達する力をきみは秘めている」

「強いのは、常に仕事に打ち込んでいる人だ。
彼はどんなことが起きてもたじろがない。
慌てない。ぶれない。うろたえない。不安にならない。心配しない」

「人生のことを考えてもよいが、それは休暇のときにすることだ」

目次

I 生について
001 待たずに進め、生きろ!
002 今が永遠に続いてもいいほどに
003 仕事が自分を強くする
004 人生について考えるのは暇なときだけにせよ
005 一つひとつの事柄をきちんと引き受けよ
006 生きゆく力
007 過去を愛しすぎるな
008 自然が教えてくれること
009 自然は成し遂げる
010 挑戦し続ける人生を
011 貧しい生き方をするな
012 苦悩は生きる力を汲み出す
013 固まれば破滅する
014 よきものは生をうながす
015 人生は形を持たない
016 人生は生ききる旅路
017 賞賛された若者へ
018 もっともっと成長しなさい
019 若者よ、急ぐな
020 衰えの魅惑
021 憂いなき蝶のように
022 ひとり砂漠を進め
023 つらいから青春だ
024 死刑の重さ
025 求めても得られないなら
026 自分の足で進め
027 自分の力で奪え
028 立ちどまれば階段にされる
029 毒を強壮剤に
030 いつ死ぬかわからない
031 私のモラル
032 人生には苦と快の両方がある
033 人生はさすらいだ
034 小さく生きるな
035 体の欲望に価値をつけない
036 才能を生かすもの
037 苦しみは人生からの贈り物
038 固定した考えから脱出せよ
039 高みへと登るために
040 魚のいいわけ
041 創造する者へのヒント
042 人生の意味はこの手にある
043 勇敢であれ
044 人生を自分のものにせよ
045 行ないが運命を生む
046 きみはどう生きるのか
047 自分の仕事こそ最高と信じよ
048 目標をあきらめるな
049 気持ちのままに

II 愛について
050 愛だけが導く
051 愛しすぎることの危険
052 愛からなされることは
053 愛という名の橋
054 愛は善悪の彼岸に
055 愛の力は人の宝石を掘り出す
056 移り気の愛
057 愛する者と愛されたい者
058 まずは自愛

III 己について
059 自己を超えた目標を持て
060 自己をあらわにせよ
061 欠点という名の教師
062 あらゆる体験はつながっている
063 群れの中では自分がいなくなる
064 不安な人は愛されたがる
065 最高の闘い方
066 理想さえも超えて行け
067 著者としての目標
068 行ないが人を築く
069 破れ目から新しい自己を見る
070 脱皮し続けよ
071 裸の自分を見よ
072 事実は自分でコントロールできる
073 自分のための庭師
074 弱さや貧しさを美しく
075 自分への喜び
076 不満は自分との闘いの拒否だ
077 理想への道がモラルになる
078 自分自身へのためらい
079 公正であるための孤独
080 自由のしるし
081 見栄っぱりは自分をもだましている
082 ありきたりの意見だけしか出ないのは
083 自分をないがしろにするな
084 本を書くということ
085 内なる野生を解放しよう
086 自己がもっとも高くなる真夏を

IV 言について
087 いつ、何を語るべきか
088 香り高い言葉を使え
089 相手を傷つけたいのなら
090 クリエイターは旗を立てよ
091 言葉に含まれる歪み
092 言葉という大海へ漕ぎ出せ
093 相手が答えやすい問いかけをせよ
094 噓が語る真実
095 語り尽くせないもの

V  人について
096 人は刻々と変わり続ける
097 生きるべき姿勢がわからないときには
098 強さと冷酷さは違う
099 狡猾な人の本質
100 人を助けるときの心理
101 友にするなら働き者を
102 友のための沈黙
103 友への同情の深さ
104 歓待は安心していない証拠
105 自分の中の悪に向き合え
106 愛される強者になれ
107 私が憎む人
108 自由に耐えきれなくなった者が待つのは
109 卓越した人は理解されない
110 献身と呼ぶべきものは
111 本当に楽しめない人は悦楽を追い続ける
112 独創的な人とは
113 天才とは
114 他人の不幸を喜ぶ心理
115 同じ人間だと感じるとき
116 若者を破滅させる毒薬
117 動物が言葉を話したら
118 動物から見たヒト
119 偉大さを知るために
120 高尚な人間をつくるもの
121 才能を発揮させるために
122 愛想のよさと不信
123 人格そのものが露出するとき
124 人に何を見るか
125 堂々とした人間
126 約束するということ
127 こういう人には近寄るな
128 批判や悪口にとりあうな
129 大言壮語する人にかぎって
130 人間を美味しく味わう
131 天才はきみとかけ離れた存在ではない
132 人は変われる

VI 知について
133 真実の痛み
134 新しいものへの怖れ
135 思想は星座のように意味を持つ
136 智恵は怒りをへらす
137 知の基本
138 美女と真理
139 智恵は武器だ
140 勉強の効果
141 一冊の書物
142 肉体は大いなる理性だ

VII 世について
143 行為こそが本道
144 この世から逃げるな
145 世間の人々の見方
146 何ひとつそのままには見ていない
147 価値を生むもの
148 態度が人を承服させる
149 道徳は人それぞれ違う
150 権威は生きる力をすり減らした者に支えられる
151 国際化は人間を洗練する
152 文化は林檎の皮
153 国家よりも自分の理想に賭けろ
154 テロリズムが現れるとき
155 世間の無理解
156 大人の中の子供
157 慈善の条件
158 語られる自然と真の自然
159 威厳を示そうとする連中の正体
160 地獄の視点
161 すぐれた物書きは集合精神を持つ
162 原因と結果について
163 勝利に偶然はない
164 敵が現れる喜び
165 印象はいつも一色に染まっている
166 狂気の集団性
167 高貴な人間
168 世間の波の中で漂流しないために
169 高みから何を見るか
170 女性はこの世の蜂蜜
171 女性の存在
172 怯えから賛成する人
173 政治家から見える二種類の人間
174 他人を救うのは簡単ではない
175 そのままの世界とは
176 哲学者の求めるもの
177 価値評価のラッピング
178 縛られている人々を大衆と呼ぶ

VIII 美について
179 人間のみが美しい
180 野の花
181 芸術的本能が人を生かす
182 芸術を生む条件は陶酔である
183 芸術を創り出す力
184 夜のための音楽と月
185 音楽は魂を外へ連れ出す
186 音楽そのものの歓び
187 愛することを学べ
188 音楽は女性
189 音楽の力
190 何が美醜を分けるのか

IX 心について
191 内心の幸福のために
192 気分を上げてから事をなせ
193 疲労の危険性
194 苦痛という名の調味料
195 感じ方は常に変わる
196 勝手に理解しているだけ
197 悲しみを忘れさせてくれるもの
198 大いなる苦悩と格闘せよ
199 依存への欲求
200 どんな判断にも色がある
201 生活条件が価値観を変える
202 道徳は内側から湧く
203 理解されたくない理由
204 何かを成し遂げようと思うなら
205 行ないの貫徹のために
206 母性愛の中にも好奇心が
207 人はわかりにくいものをありがたがる
208 拒絶される幸福感
209 好意は小さな花々
210 恥ずかしいと感じるとき
211 ストイックでなければ跳べない
212 自分の心の奥にライバルを持て
213 自分の豊かさに気づけ
214 痛みは船長の声
215 魅力の秘密
216 自分を取り戻す方法
217 好かれるための技術
218 闘う者は敵と似てくる
219 人は誰を憎むのか
220 二種類の賞賛
221 固くも柔らかくも生きる
222 赦す心の難しさ
223 欲得と激情の結婚
224 喧騒が慰めになるとき
225 完全なる幸福の条件
226 好きと嫌いの理由
227 憎しみを感じるときは自分が弱い
228 慰めない慰め
229 重い心は人から人へ移る
230 奉仕の評価について
231 行動は決して自由ではない
232 悩みの小箱から脱出せよ

著者からのメッセージ

前著『超訳ニーチェの言葉』の基底に流れていたのは、「自尊」「生の歓びの獲得」「自己超克」であった。本書の底流にあるのは、「生の創造」「苦難の引き受け」「高みへの意志」である。

「生の創造」とは、自分の毎日の生き方を一日一日自分の手で創っていくということを意味する。わざわざ創っていかなくても一日は自動的に流れていく、と考える人が現代では多いかもしれない。毎日、同じ道を歩き、同じ場所に行き、同じようなことをし、いつもの仕事をなんとかこなし、というふうなサイクルのくり返しが人生だとする人もいるだろう。何の疑問も持たず、危険をなるべく回避し、決断の責任をとりたくないから上手に長いものに巻かれ、安定した人並みの生活を送ることで満足する人生……。しかし、どうだろう。そのような完全に保護されて満ち足りた人生など現実にありえるのだろうか。あるとしても、そのように錯覚したほんの数時間限りであろう。

誰もが知っているように、現実の人生に安定というものはない。流動するのが人生だ。揺れ動き、不安定で、波があり、上昇したり下降したりする。わたしたちの気分でさえ腹に食べ物があるかどうかで大きく変わるのだ。ましてや、生活や人生においてをや。人の生のこういう不安定さを、ニーチェは生きることの本質ととらえた。そして、積極的な言い換えとなる言葉を与えた。「Werden(ヴェァデン)」である。これは物事や人が何かになっていくこと、変転すること、成長すること、態度を変えていくことを意味する場合に使う一般的なドイツ語だ。ニーチェ関係の翻訳書では、これを「生成」と訳している。わたしたちは日々を生きるのだが、これこそ生成の日々である。力に向かうのか、頽落するのか、生み出すのか、怠けて退行するのか、獲得するのか、失うのか、愛するのか、棄てるのか、育てるのか、殺すのか……。停滞も、漫然とした維持もありえない。いつも動的である。それが人の日々の現実である。であれば、わたしたちは自分のこの日々を、自分の生のいちいちを、自分の目標に向けて自分の決断で能動的に創造していくしかない。つまり、自分を不断に創っていくしかない。それが生きることそのものだからだ。細胞が沈黙のうちに生と死の創造を続けているようにである。

「苦難の引き受け」とは、文字通りに、人生における苦難を自分が引き受けるという意味だ。生きるうえでの苦しみは、災害でも罰でもない。苦しみは、この世に生きるものに必ず伴うものだ。その必然を引き受ける。苦しみを引き受け、どうにかこうにか越えたとき、自分は変化している。古い自分から「脱皮」している。以前とは風景が変わる。ものの見方が変わる。感慨も変わる。自分自身がすっかり変わっている。生成の一つの過程を通ったからだ。何かを創ったり、何かをなしとげる場合も、必ず苦難や障碍は生まれる。その苦難や障碍を自分なりに越えない限り、何も生むことはできない。たとえば、苦難なくして天才になった者はこれまでに一人もいなかった。苦難は人を育て、生きることを促進するのである。苦難は強く生きようとする者の生成の日々に必須の恵みなのである。

「高みへの意志」とは、人としての能力の果てまで行ってみようとする意志のことだ。そこには、他人に見せるためではない、自分のためだけの孤独な高潔さと尋常ではない積極性がある。多くを獲得しようという世俗にまみれた貪欲さが地の泥を呑みこむことであれば、高みへの意志は遠くの冷たい星になろうとすることだ。もちろん、高みを目指すというのは、いつも生成の途上にある本人の選択によるものだ。何も目指さないでいるのなら、世間の濁った波に巻き込まれ翻弄され続けるだけだろう。安楽を求めるなら、結局は頽落して、人として衰退するしかないだろう。

曖昧なまま緩衝地帯に残っていようとすることは不可能だ。なぜなら、さきほど説明した流動と生成の中にいるのが人生のリアルだからだ。そもそも緩衝地帯などない。自分が何も決断しないなら、世の濁流に流されるだけになる。また、高みを目指すのは峻厳な崖を登攀していくことにも似た労苦と努力が要求されるが、それらの苦しさは、自己の成長をうながすのはもちろん、より多くの快楽を与えるだろう。その快楽にはもちろん、この人生を生きてよかったという肯定と、ついには世界のいっさいの出来事とあり方を肯定することが含まれている。ニーチェが「聖なる肯定」と名づけたものである。

(「はじめに」より)