商品詳細

[紙+電子セット]量子

THE QUANTUM UNIVERSE クオンタムユニバース

[紙+電子セット]量子

紙+電子 すべては近似にすぎないのか?
価格: 3,256円(税込)
フォーマット
紙の書籍
電子書籍
紙+電子書籍セット
価格
2,376円
1,760円
3,256円
    個数:
  • メーカーディスカヴァー
  • 発売日2016.6.15
  • ISBN978-4-7993-1914-7
  • ページ数360P
  • サイズA5変形判・並製 /

商品概要

不確定性原理からファインマン・ダイアグラムまで! 直感に反する、不思議で奇妙な量子の世界を広く深く紹介します。

商品説明

量子とはなにか?
不確定性原理とは?
粒子であり波であるとは?
そして、物理学者はなぜこの奇妙な理論を信じているのか?

物理世界を記述するのに、なぜ量子力学が必要となるのか? おそらく、この問いに答えることはできない。なぜ必要かは分からないが、たしかに、量子力学はこの世界をうまく記述している。理論の誕生から今現在たどり着いたところまでを紹介する。


「量子力学」は、万物のふるまいを説明する三つの大理論の一つだ。残りの二つは、アルベルト・アインシュタインが提唱した「特殊相対性理論」と「一般相対性理論」で、時間と空間と「万有引力」を対象にしている。ほかのすべてを対象にするのが量子力学で、満足しようが途方に暮れようが、自然のふるまいを予測するという実用的な価値において、正確さと適用範囲の広さを誇っている。

何かの役に立つことはかならずしも科学の目的ではないが、純粋な興味からはじまった基礎研究によって、しばしば技術や社会に大変革がもたらされてきた。あらゆる分野での発見のおかげで寿命が延び、飛行機や電子メールが大陸のあいだを行き交う。人々は単調な肉体労働から解放され、無限の宇宙へと思いをはせる。だが、そのような成果は、ある意味すべて副産物だ。科学者の動機は好奇心にあり、理論の拡張や製品の改良にあるのではない。

深遠な理論が広範に適用できる好例として、おそらく量子力学は真っ先にあげられる。粒子が複数の場所に同時に存在し、瞬時に宇宙のかなたまで飛んでいくと主張するのだから、これほど深遠な理論もない。宇宙を構成する基本要素のふるまいを理解すれば、森羅万象が説明できるのだから、これほど適用範囲が広い理論もない。

この本の目的の一つは、量子力学から神秘性を取り除くことにある。その理論が誕生したときから、研究者の困惑がはじまった。一〇〇年にわたる努力のおかげで、現在では全貌の理解も進んでいる。だが、歴史的な背景を知るためにも、一九世紀が終わろうとする時代から説明をはじめたい。当時の物理学者は、なぜ、それまでにない革新的な理論にたどり着いたのか?

目次

1.何か奇妙なことが起こっている
 驚くべき一致
 単純な法則、複雑な現象
 奇妙だが、神秘ではない

2.二つの場所に同時に存在する
 跳ね返る弾丸
 分光学の理論と原子の構造
 非常識で納得いかない理論の誕生
 ニュートンの理論
 古典的世界像の限界

3.粒子とは何か?
 複数の場所に同時に存在する
 時計の針と位相
 時計の正体
 波動関数の大胆な解釈

4.起こる可能性があれば実際に起こる
 一瞬であらゆる場所に
 ただ規則にしたがう
 ハイゼンベルクの不確定性原理
 時計から不確定性原理を導く
 プランク定数の手短な歴史
 ふたたび不確定性原理へ

5.粒子が動くという幻想
 粒子の動き
 ド・ブロイの方程式
 波束
 フーリエ級数への分解
 運動量表示の波動関数

6.原子がかなでる音楽
 定常波
 閉じ込められた電子
 電子の運動エネルギー
 原子スペクトルの正体
 原子のポテンシャル

7.足が床を突き抜けない理由
 量子数
 量子数と周期表
 パウリの排他律
 排他律を時計であらわす
 時計の一体化
 フェルミ粒子とボース粒子

8.原子のきずな
 粒子が二個だけの世界
 二重井戸型ポテンシャル
 二つの井戸に二つの粒子
 原子がN個の世界
 電子の流れ

9.二〇世紀最大の発明
 電子と正孔
 偉大な不純物
 半導体を接合する
 トランジスターの原理

10.からみ合う粒子
 量子電磁力学
 ファインマン・ダイアグラム
 観測との相互作用
 歴史の干渉
 反粒子のタイムトラベル

11.真空は粒子で満ちている
 素粒子物理学の標準モデル
 質量の正体
 ヒッグス機構

エピローグ 恒星の最期
 白色矮星とチャンドラセカール限界
 恒星の命運と質量
 電子の圧力
 電子の圧力と万有引力をバランスさせる

著者からのメッセージ

科学の手法がいかに強力かを実証するために、量子力学ほど適切な材料はない。理論の確立には、精度の高い綿密な実験が不可欠だ。実験の結果と一致しないなら、いかに有望な理論でも生き残ることはできない。真空のエネルギーの謎は、たぶん、量子力学の新しい理論の前兆だろう。大型ハドロン加速器の実験からは、おそらく、説明のつかない新しいデータが得られるだろう。そして、世界がより深く理解されたあかつきには、この本の内容はすべて近似にすぎないかもしれない。

この本の執筆を考えはじめたとき、どう終わらせるかについて著者の二人は話し合った。量子力学が理論的にも実用的にも強力であることを示したい。自然のふるまいが科学によって微細に記述できることを、もっとも疑い深い読者にも納得させたい。そのような実例はきっとある。だが、説明のために簡単な代数学を使うことになるだろう。

本文はここで終わるが、つぎのエピローグでは、量子力学の強力さを見事な実例によって紹介する。数式を理解しなくても、議論の流れを追えるように最大限に工夫してある。だから、もう少し、量子力学の世界を楽しんでほしい。
(本文より)