商品詳細

株式会社の終焉

株式会社の終焉

紙の書籍
価格: 1,188円(税込)
フォーマット
紙の書籍
電子書籍
紙+電子書籍セット
価格
1,188円
880円
1,628円
  • メーカーディスカヴァー
  • 発売日2016.9.29
  • ISBN978-4-7993-1964-2
  • ページ数240P
  • サイズ新書判・並製 /

<正誤表>
お詫びの上、訂正いたします。

・23 ページ 図 5
正誤表.pdf

・53ページ 2行目
誤)1か月
正)1日

・170ページ 8行目
誤)126兆ドル
正)1.26兆ドル

商品概要

水野史観、炸裂! 大ベストベストセラー『資本主義の終焉と世界の危機』を継ぐ著者渾身の書き下ろし! 21世紀に株式会社の未来はあるか?

商品説明

証券チーフエコノミスト時代に上梓した処女作『100年デフレ―21世紀はバブル多発型物価下落の時代』(日本経済新聞社、2003年)に始まって、『人はグローバル経済の本質をなぜ見誤るのか』(日本経済新聞出版社、2007年)、『終わりなき危機 君はグローバリゼーションの真実を見たか』(同、2011年)、そしてベストセラー『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書、2013年)と、一貫して、資本主義の限界と、にもかかわらず続く「成長信仰宗教」批判してきた著者の最新作。まさにその系譜を継ぐ渾身の書き下ろしです。

「長い16世紀」の後の近代資本主義とそれを担う近代株式会社の誕生から現代まで、その歴史を紐解きつつ、必然としての現在の資本主義の終焉と、それに伴い、株式会社、厳密にいえば、現金配当をしている株式会社に、残されている時間はあまりないことを、頻発する企業の不祥事や格差の拡大、国家債務の拡大、人口減少等の各国に共通する課題にも触れつつ、丁寧に述べていく。

では、どうするのか? 本書の新しさは、その一つの方向性を示していることにもある。まさに、著者新境地の力作である。


(「はしがき」より)
ホイジンガが『中世の秋』で指摘しているように、中世から近代へ移行するとき、旧勢力が盛り返し新興勢力が後退したり、新興勢力が押し返したりを繰り返しながらも、時代は徐々に近代勢力の勝利へと向かっていきました。きたるべき22世紀はどんな社会にしたいか、これから、各国が英知を絞り旗を掲げて壮大な実験を重ねていくことになります。

ヨーロッパは国民国家の枠を超えてEUをつくって、ひとつに旗を掲げました。米国もまた2016年11月の大統領選で新しい旗を掲げる可能性があります。そのEUはそもそも、ヴィルヘルム1世に忠実に仕えたビスマルクが、フランスで起きた市民革命はヨーロッパ全体にとって今後避けられないことだと認識した上で君主制維持に腐心したことがその基盤になっています。ビスマルクが時代を読み間違えていれば、今のドイツ中心のEUはなかったわけです。

翻って、日本はどうでしょう。近代の先頭に立ったにもかかわらず近代強化作戦をとっていますが、これは止まった巨大な風車を竹やりで高速回転させようとつっついているようなものです。21世紀に入ってすぐに「骨太の方針」、続いて「アベノミクス」と成長路線まっしぐらです。そして、おそらく2020年の東京五輪までは「成長がすべての怪我を治す」と考える、その近代勢力が力を増すでしょう。

でもそれも、向こう100年間という長期の時間でみれば、ほんのさざ波にすぎません。最も避けなければならないのは、時代の歯車に歯向かったり、歯車を逆回転させたりすることができると思ってしまうことです。現在の21世紀は、成長の積み重ねの上にあるわけではありません。成長を目指せば目指すほど、21世紀の潮流とずれてしまうのです。これから70年の間で、22世紀の勝負はついていることを認識することが最も重要です。

目次

はしがき

第1章 株高、マイナス利子率は何を意味しているのか
 国家と国民の離婚
 政府のROE8%超要請
 人件費削減に正当性はあるのか
 なぜ日本企業の売上高営業利益率は欧米企業と比べて低いのか
 国民を狙い打ちする黒田バズーカ砲
 なぜ消費者物価は上昇しないのか
 なぜグローバリゼーションが生まれたのか
 10年国債の金利がマイナスであることの意味
 金融抑圧説vs.過剰資本説
 将来の不良債権を生み出すマイナス金利政策
 「豊かな社会」と世界的な供給過剰
 なぜマイナス金利政策なのか
 マイナス金利は「見えない税金」
 日銀の越権行為
 「デフレで経営が苦しい」は本当か
 21世紀のコペルニクス革命
 第1章 注

第2章 株式会社とは何か
 「世界で最も重要な組織は会社だ」 
 古くて新しい法人vs.中世イタリアのパートナーシップ
 最初の株式会社モスクワ会社と国王の事情
 企業組織の4つの特質とハイリスク・ハイリターン
 たったの1・5冊で世の中を変えたコペルニクス
 コペルニクス革命とウェストファリア体制
 国家独占資本主義vs.海賊ユートピア黄金時代
 国債の誕生と南海会社
 18世紀、ロンドン・パリの二都バブル物語vs.20世紀、NY・東京の二都バブル物語
 パートナーシップ資本主義から株式会社資本主義へ
 貨幣の資本化と13世紀の資本論
 13世紀の資本擁護論vs.19世紀の資本告発論
 アダム・スミスとガルブレイスの株式会社批判
 膨張する「地理的・物的空間」と株式会社
 「蒸気は結合だ」
 第2章 注

第3章 21世紀に株式会社の未来はあるのか
 成長、それ自体が収縮を生む
 バブルが多発する「電子・金融空間」
 ショック・ドクトリンと無産階級の増大
 技術の奇蹟の信徒と技術進歩教の誕生
 「科学の時代」の延長線上の「技術の時代」
 人口減の本質的原因
 三菱東京UFJ銀行の乱
 租税国家vs.債務国家
 Debtは罪であり借金
 預金者のリスクvs.株主のリスク
 中世への回帰
 トヨタ新型種類株式(AA型)の示すもの
 英国EU離脱と「中世の創造物」であるEU
 バブル(投機熱)とカーニバル
 労働分配率の是正と内部留保金の是正
 減益計画と資産課税
 「よりゆっくり、より近く、より寛容に」に適合した21世紀の会社のあり方とは
 第3章 注

あとがき

参考文献

著者からのメッセージ

現在の株式会社が主流となったのは、19世紀半ば以降の「鉄道と運河の時代」になってからのことにすぎません。そして、そのわずか100年余り後の1970年代には、それを支えていた近代システムがおかしくなっていきます。

あれから、50年。今後、21世紀の半ばには、次の世界の姿が見えてくることでしょう。最も避けなければならないのは、時代の歯車に歯向かったり、歯車を逆回転させたりすることができると思ってしまうことです。

「より速く、より遠くに、より合理的に」から、「よりゆっくり、より近くに、より寛容に」に。これを株式会社に当てはめれば、減益計画で十分だということ。現金配当をやめること。過剰な内部留保金を国庫に戻すこと。おそらく2020年の東京五輪までは、「成長がすべての怪我を治す」と考える、近代勢力が力を増すでしょうが、それも、向こう100年間という長期の時間でみれば、ほんのさざ波にすぎません。

編集者メッセージ

「視点を変える 明日を変える」というキャッチフレーズのもと、「21世紀の新しい価値基準を提案する」ことをミッションに出版を行っている弊社にとって、読者に新しい歴史観をもたらし、まさに「歴史の危機」のこの時代に、21世紀から22世紀の新しい価値観を示す本書は、わたくしが創業以来出したかった本の一つでもあります。