商品詳細

悩める日本人 「人生案内」に見る現代社会の姿

悩める日本人 「人生案内」に見る現代社会の姿

紙の書籍 (携書 183)
価格: 1,080円(税込)
フォーマット
紙の書籍
電子書籍
紙+電子書籍セット
価格
1,080円
800円
1,480円
  • メーカーディスカヴァー
  • 発売日2017.8.10
  • ISBN978-4-7993-2163-8
  • ページ数208P
  • サイズ新書判・ソフトカバー /

商品概要

社会学者山田昌弘氏が100年以上つづく読売新聞大人気連載「人生案内」から読み解く、モデルなき混沌の時代を生き抜く秘訣とは!? 白熱する高齢者の性・恋愛、夫の知らない妻の不倫、不安な中高年パラサイト・シングル、LGBTの就活…etc.

商品説明

この書籍は 8.10 発売です。書籍の発送は発売日となります。
---


現代社会を動かす潮流の深層を鋭く分析し、「パラサイト・シングル」「格差社会」「婚活」等の時代を表す概念を生み出してきた社会学者山田昌弘氏の考察によって、現代社会の実像(リアル)、解決策が見えてくる!

モデルなき現代ならではの相談を徹底分析
・父の死を夫がSNSに投稿(40代女性)
・夫の女装趣味が発覚(50代女性)
・交際相手が心変わり、苦しい(60代女性)
・年下の彼に未練(70代男性)
・性的少数者 就活どう臨む(20代男性)
・妻が不倫 謝罪されたが苦しい(50代男性)
・失業の30代息子 職探し二年(60代女性)
・声優の夢 限界感じる(10代男性)…他多数

目次

はじめに 社会学者と『人生案内』回答者の間で

 価値観の多様化─夫の女装趣味にとまどう妻
 相談1 女装する夫にショック
 価値観が異なる人とどう付き合っていくのか
 価値観に関わる2つの前提がある
 抜け出せないジレンマ
 社会制度はすぐには変えられない
 社会学者と回答者の間で葛藤してきたからこそ、見えてくるもの
 相談2 不得意な仕事 続けるべきか

PART1 現代社会×悩み×3つの傾向

第1章 相談内容から見えてくる現代社会の姿
 三大傾向:性愛・寄生する子ども・夢を見ない若者たち
 相談3 父の死を夫がSNS投稿
 ルールなきSNSがもたらす混乱と葛藤

第2章 現代における「人生相談」の意義と考察の限界
 新聞における悩み相談の意義、そして利点
 手軽なネット相談の落とし穴
 新聞における悩み相談「分析」の3つの限界

第3章 多様な愛や性の形に関する相談
 性愛にスタンダードが存在しない時代
 相談4 70代男性 年下の彼に未練
 性的マイノリティの周りにいる人からの相談の増加
 相談5 息子は同性愛者なのか
 相談6 性的少数者 就活どう臨む
 LGBTにおけるモデルとは?
 加熱する高齢者の恋愛事情
 相談7 交際相手が心変わり、苦しい
 相談8 11年交際男性が別の女へ
 生涯恋愛時代への突入
 恋愛で老後生活をいきいきと楽しく過ごす
 妻の不倫・浮気に悩む男性の出現
 相談9 妻が不倫 謝罪されたが苦しい
 ますます増える妻の不倫の顕在化
 不倫が許されない理由─愛は制度に勝てないのか?
 不活発化する若者の恋愛
 相談10 20代男性 恋愛感情が持てない
 相談11 恋・部活・勉強ダメ 青春ムダに
 恋愛にあこがれをつのらせる高齢者
 恋愛に積極的な「肉食系女子」は実は増えていない!?

第4章 中高年のパラサイト問題について
 いつの時代でも親は子どもが心配なものだけれど……
 相談12 60代息子が主夫 情けない
 未婚率増加・正社員比率の低下が映し出す現実
 相談13 30代息子 教授になれるか
 相談14 警察官の夢追う20代後半息子
 高学歴ワーキングプアへの道
 パイプラインから漏れ出す、安定した雇用に就けない若者
 相談15 就職がうまくいかない息子
 相談16 自慢の娘 さえない生活
 相談17 失業の30代息子 職探し2年
 日本的雇用慣行のゆがみ
 日本的な特徴2点が浮き彫りになっている
 相談18 働かない40代息子
 高齢化するパラサイト・シングルの解決策は恋愛か!?

第5章 夢を見ていられない若者たち
 若者はなぜリスクを過剰に回避するのか?
 相談19 夢は考古学者 本心言えず
 相談20 中3 理系転向は可能か
 将来を早く決めなければ不利という強迫観念
 人生においてもムダを嫌うコスパ史上主義の蔓延
 夢は何歳まで追い続けていいか
 相談21 リポーターの夢 あきらめるべきか
 相談22 不採用の企業 あきらめられず
 固定化する労働市場から脱出して海外就職も視野に
 相談23 声優の夢 限界感じる
 リスクがあることを知りながらアドバイスすることの難しさ
 自分の選んだ生き方を正解にしていく

PART2 現代的悩みの背景にあるもの

第6章 大きな転換点にある現代社会
 引き裂かれる人生
 モデルからこぼれ落ちたときのモデルを考える
 価値観の多様化と「世間体」の重荷
 ダメ出しを極端に恐れる世間体社会
 リスク過剰社会と「世間体」という名のモンスター

おわりに 再び、社会学者と『人生案内』回答者の間で

著者からのメッセージ

社会学の永遠のテーマの一つは、「価値観が異なる人とどう付き合っていくのか」というものて?す。近代社会は、さまざまな考えを持つ人が集まっている社会です。

ですから、価値観がますます多様化していて、どれが正しい・正しくないと決められない時代になっている今の社会において、極めて重要なテーマとなります。

価値観が多様化している要因は複数ありますが、たとえばグローバル化はわかりやすい例でしょう。世界がグローバル化する中で、国や地域によってさまざまな文化や価値観の中で育ってきた人たちと出会います。そして、彼らと一緒に生きていく必要があるということです。これは、多くの方にとって、想像に難くないことではないでしょうか。

価値観というものは、行動に現れ、人間関係に影響をおよぼすものです。特に家族、 恋愛、セクシュアリティ(性的指向)に関していえば、価値観は一人ひとり違うものであり、どれが正しいと決められない領域です。非常にプライベートであるからこそ、違いが問題になりやすいという側面も持ち合わせています。そのうえ、人の感情や自尊心に関わることでもあります。

本書では、若年層~高齢者における恋愛・セクシュアリティから仕事・生き方にまつわる多様な相談事例をもとに、2010年代に入り、ますます多様化を極める価値観を、そして一方で硬直化して現状と合わなくなっている社会制度や意識のあり方を浮かび上がらせていきたいと考えています。

本書をお読みの皆さんも、他人事でありながらいつ自分事となるかもわからない相談を読みながら、一緒に考察を深めていく機会となれば幸いです。
(「はじめに」より)